[2019/2/10]厳しい売上高
2月10日(日)
小企業の生き残り作戦― 事例A
(1) 厳しい売上高
A社は創業30周年、二期連続の赤字である。車両台数は13台である。筆者に経営相談の申し込みをしてきた。社長は2代目で、一般企業からの転身者である。年齢は35歳。社屋というか事務所は10坪くらいで、配車係の机が一つとあと2,3の机が並んでいる。配車係は50歳で、社長の叔父である。
事務所を訪問して机の一角で面談する。社長自らコーヒーを入れてくれる。リストラで、女子パートにはやめてもらったという。A社の仕事内容は二つのグループに分けられる。
一つは大手運送会社の下儲けとしての食品の冷凍郵送である。2トン冷凍車が4台、4トン冷凍車が2台あるが、月の売り上げは2トン冷凍車で60万円足らずである。一日当たりの運送収入は2万7000円。4トン冷凍車のほうは、平均売り上げが65万円、一日当たりでは2万9000円。ともに平均稼働日数は22日程度。
「厳しい売り上げですね。平均稼働日数が22日というのが苦しいですね。もっと稼働日数は上がらないのですか」
「いい時に比べて20%は売り上げがダウンしましたよ。日曜日と祝日は休むことで元儲けの運送会社と契約していますので、ひまなときはお呼びが掛からないのです。それで2日の稼働ということになっているのです」
運送収入に占める人件費率は60%に達し、完全に赤字体質となっている。
第二のグループは複数荷主(10社程度)を相手としている。4トンの平ボディー車4台、大型車2台、2トン車1台の計7台である。
売り上げは2トン車が月45万、4トン車が50万、大型車が75万円。「実に厳しい売り上げですね」。月間の走行距離は一日平均300キロメートル、22日で6600キロメートルといったところである。運送収入に占める人件費率も、これまた60%に達している。
つづく
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