vol.67

中小企業を対象とする経営コンサルタントの役割、使命はどうあるべきか。

「もうダメだ。どうしていいかわからない」、「何から手を付ければいいだろうか」…中小企業の経営者の悩みは深い。頭で分かっていても、なかなか思うように実行に結び付けない。日々の業務に追われる。時間の余裕がない。その上経営のピンチ=赤字に直面している。筆者は経営コンサルタントとして、数多くの中小企業の経営者の相談にあずかってきた。心掛けているのは、勇気を呼び起こして行くことである。「もうダメだ」と悩みの淵に沈みこんでいる経営者に対して、いくらダメさ加減を分析しても始まらない。お先真っ暗、と経営者は落ち込んでしまう。「よしやろう」と前へ向かって進む勇気を奮い起していくキッカケになりたい。「生きている限りは、苦しみや悩みはチャンスである」と鼓舞していく経営コンサルタントでありたい。

その為にはどうするか。

中小企業の経営者の苦闘に、共感する力を磨いていくことである。冷静になりすぎて突き放してはならない。共感力によって心と心を触れ合わせ、前へ向かっていくことである。よく聞くことが大切である。社員や得意先には言えないことを辛抱強く聞くことである。例えば、名医が「この薬はよく効くよ」と言ってメリケン粉を処方しても、患者はスッキリすることがあると聞く。病は気からと言って、名医を信頼する患者は例えメリケン粉でもスッキリする。よく聞くことで信頼感を深めていくことである。名医の域には筆者は未だ達していないが、「顔を見るだけで安心する」、「話を聞いて頂いてありがとう」と言われるくらいになりたい。夢である。中小企業の経営コンサルタントは、クライアントに絶望を与えてはならない。ダメさ加減の分析に留まることなく、“よく効く薬”を処方しなければならない。“よく効く薬”は安心と信頼を与える経営コンサルタントたらんとすることである。