vol.57

紙一重という言葉がある。わずかの差、ほんの少しという意味である。

勝敗を分けるものは紙一重である。勝つか負けるかは一見大差にみえていても、実はわずかであることがしばしばである。

経営の現場の勝敗とは黒字(利益を出すこと)か赤字(損失を出すこと)である。売上に対して10%の経常利益を出している、自己資本比率も50%である。こうした企業は、勝負に勝っている。赤字企業との差は大きくみえる。ところが紙一重なのである。売上を上げ続けようと日々どんな努力を積み重ねているか。顧客訪問の回数はどうか。アポイントする為に、どれだけ電話をかけているか。顧客ニーズをどれだけ掴んでいるか。こうした日々の努力をするかしないかは紙一重である。「やる」と決めて継続していくことがやがて大きな差となってくる。

アリとキリギリスの童話を想起する。キリギリスは、その日さえよければと毎日楽しく暮らす。やがて寒い冬が来るのに「そんなことはどうでもいい」、「今日一日楽しく暮らせばそれでいい」と備えをしない。対してアリは、せっせと働く。寒い冬に備えて食料を備蓄する。やがて冬が来る。キリギリスは落ちぶれる。物乞いにアリの所にやって来る。「助けて下さい」。アリとキリギリスの境遇の差は大きいが、心の持ち方は紙一重である。寒い冬に備えていこうとする心の持ち方がアリとキリギリスの明暗を分ける。

心は不思議である。心の持ち方によって勝負が決まる。アリは何故コツコツ働くことを学んだか。それは、心を鍛えたからである。「心田」を耕す努力である。「心田」とは心の田んぼのことである。日々続けていくことが、耕すことに繋がる。

一日一生という言葉がある。一日を一生の如く全力を尽くすということである。明日は、今日が無ければやって来ない。明日は必ずやって来る。夜の明けない朝もない。一日一生の努力=紙一重の努力が勝負の分かれ目である。