vol.49

「天のまさに大任をこの人に降さんとするや、必ず先ずその心志を苦しめ、その筋骨を労し、その体膚を餓えしめ、その身を空乏にし、行うことその為さんとするところに払乱せしむ」(「孟子」の中より)。(=天がその人に重大な仕事を任せようとする場合には、必ずまず精神的にも肉体的にも苦しみを与えてどん底の生活に突き落とし、何事にも思い通りにならないような「試練」を与えるのである)。

「孟子」の言はなるほど中国3000年の歴史の凄さ、知恵の深さ、含蓄について納得させられる。何事も簡単に楽して大成するものではない。「事の成るのは『困苦』のとき」との言葉も中国古典の一節である。事=物事が成就するのは困苦のときの踏張り、努力にあるという意味である。

2009年は大不況の年である。リストラの嵐が吹き荒れる。このときこそ「困苦」のときである。「試練」のときである。「天のまさに大任」とは使命感、天命の意識である。「人事を尽して天命をまつ」の心構えであらゆる努力を惜しまず、力の限り尽くしていくこと、その上で生き抜いていけるかどうかは「天命」に任せるしかあるまい。こうしたハラのくくり方を求められるのが2009年の激動である。日本でも山中鹿之助の有名な言葉がある。
「我に艱難辛苦を与え給え」別に望んで「困苦」や「試練」、「艱難辛苦」に直面しようとしているわけではないが、現実がそのような状況になるということである。

「100年1回」と喧伝される金融危機は、決してオーバーな表現ではなく文字通りである。企業経営にとっては逆境の年である。わかりやすくいえば、赤字の危機に直面する年(すでに赤字の会社はさらに赤字が膨らむ年)といえよう。この時に当たり、経営コンサルタントとして如何に処していくかである。経営危機に真価を発揮する経営コンサルタントであらねばならない。「困苦」、「試練」に強い経営コンサルタントとしてやり抜くこと ― これが私の2009年の心構え、決意である。