vol.39

 ようやく寒さもゆるみ、春を感じる季節になっている。2008年の春である。いつもながら時の流れの速さに感じ入る。ついこの間、正月を迎えて「さあやるぞ」と気を引き締めたのに・・・。とにかく時の流れは早い。このペースで人生も進んでいくのであろうか。

 思えば40年前、広島から上京への道を進んだ。18歳の春である。期待と不安を抱いて上京したものである。まだ新幹線はなく、広島から夜行列車で20時間近くかかったと記憶する。「青春」真っ盛りの頃である。出発にあたって酒を飲んで、半分酔っ払って列車に乗り込んだ。酒を飲んだのは壮行会だからである。母の見送りもあった。「しっかり頑張れよ」とハッパをかけられた。服装はどういうわけか背広であった。母親にすすめられるまま、うす黄色の派手な背広を身に付けていた。フラフラと酒に酔っていたので、隣の席の女の人に自らの頭がもたれかかって「失礼な人」とばかり怒られたことである。

 あれから40年の月日が流れた。「期待を背にして40年か」とふと感じ入る。色々なことがあったが、何とかここまで辿り着いた。「何かに成るということは、何かを失って成るものである」。一応世間では経営コンサルタントに成ったが、失ったものは何か。ひとつ獲得すると何かを失う、こうしたバランスが人生というものではあるまいか。幸福とはこうしたバランスの上に成り立っているものではあるまいか。私は、これからも更に「遠くまで行くんだ」との決意をもって進んでいきたい。遠くまでとは、できる限り前へ進もうという意思の表れである。

 私の出発点は40年前、広島から上京した“あの日”である。大いなる希望に燃え、胸がワクワクしての出発日(それにしては酒を飲んでフラフラとは、何かを暗示している)。あの時の希望は捨てていないかと今にして胸に問う。あの時の出発の時のやる気は持続しているか。このような自問が降りかかるのは、いつものことながら春3月である。・・・自答する。― あの時の希望とやる気は今も持続していると ―