「私も65歳になったら引退して、ゆっくりしたいですね。」当年とって60歳の経営者の言である。「引退してどうするのですか」。「私の夢は、今まで一緒に苦労をかけた妻と世界一周旅行をすることですよ」。「世界一周旅行も、ゆっくり回っても1年くらいですよ。それから後はどうするのですか」。「そこまでは考えていませんが、とにかく65歳になったら引退します。そのときにちゃんと引き継げるように、しっかりした会社にしておきたいのですよ。お手伝いして下さい」。
経営者それぞれの人生観がある。それこそ生涯現役を全うする経営者もいる。人それぞれである。先述の65歳で引退すると夢を語っていた経営者は、無念な事に62歳で突然死された。「ゆっくりしたい」等と心に思うと、急に病気をするケースが多い。気が緩むのかもしれない。一方70歳で会社を譲って、有料老人ホームに夫婦で入居した経営者もいた。しばらくは、有料老人ホームに入居して1年ぐらい、月1回のペースで話し相手を務めたこともある。高級ホテルで酒を酌み交わし、食事をしながらの懇談である。経営者にしてみれば、外界の刺激に触れる為の懇談であったかもしれない。引退を願いつつ叶わぬ経営者もいれば、完全に引退する人もいる。完全に引退した経営者の有料老人ホームでの話も、人生そのものである。年枯れても男女間のもめごと有り、人間関係の好き嫌いあり、○○日はマージャンをする、次の日は旅行する、○○日はウォーキングをする等、スケジュールも結構忙しい。経営者を引退しても、人生は引退できない。
私の場合は、人生そのものが経営コンサルタントとしての人生ということで、生涯現役かもしれない。私の父は1976年の冬12月、67歳の時、朝仕事へ行こうとしてバッタリと倒れ、そのまま帰らぬ人となった。そのころは定年は55歳の頃である。定年後12年間は現役を続けたことになる。最近は定年が60歳であるので、私の場合は12年をプラスすると少なくとも72歳まで現役であり続ければ、父を超えたということになるのかもしれない。あるいは、65歳の定年として12年をプラスして77歳となる。