vol.37

 “禍福はあざなえる縄のごとし”ということわざがある。悪いこと・不幸・ピンチが禍、幸せ・いいこと・絶好調は福である。禍福は縄のごとしである。わかりやすく言えば悪いことはいいことの始まり、いいことは不幸の始まりといったところである。私自身の実感からしても正にピッタリである。景気の波にしてもいつまでも好況は続かない。好不況は繰り返す。これからのことや、どうしたらもっと企業と人が成長できるか。真剣に考えあぐねて、もがくのは不況の時である。調子のいい時は過信する。気を引き締めているつもりでも、おごりが忍び寄ってくる。いつまでも好況が続くと盲信する。そこに落とし穴が待っている。従って心構えとしては、“悲観的に準備して楽観的に行動せよ”である。悲観的とは、最悪のケースを考えておくことである。まさかに備えることである。その上で行動する時は「なんとかなる」で楽観的にいく。色々考えてみると、人生は心の持ち方が大事であることに気付かされる。何かを喪えば全てを喪うのではなく、喪うことで得るものがある。九死に一生を得て生き残った人で、体が不自由になったが、その代わり今まで気付かなかったものに気付くことがある。
 経営に照らしてみると、ひとつの荷主がなくなっても次の荷主が出てくる。ひとつの荷主がなくなることは、悪いことでピンチである。ピンチをバネにすることができれば、次の荷主を獲得することができる。心の持ち方を前向きにすることによって“かふくはあざなえる縄のごとし”を実感する。更にピンチの時こそチャンスである。土壇場に直面してハラもすわり、度胸もついて真価が発揮されてくる。人もいない、金もない、ないないづくしであるが、心がある。心を強く持つことで事態は打開される。従って諦めないことである。すぐ投げ出していてはチャンスは巡ってこない。諦めずコツコツ前進することである。
 ひたすら一歩でも前へという姿勢こそ、正しい心の持ち方の基本である。