70歳を超えている経営者がいる。口癖は「いつ死ぬか分からない。もう長い命ではない。あと3年でやるべきことをやる」。定期的に入退院を繰り返している。肝臓の病気である。
執念という言葉がある。何が何でもという強い意志のことである。70歳を超えている経営者に接するたびに“ 執念 ”という言葉が頭に浮かぶ。石にかじりつき、地をはってでもやり抜くとの強い想いが伝わってくる。この迫力はどこから生まれてくるものか。
「経営者の迫力は、度胸がすわっているかどうかですよ」。度胸とは腹をくくるということである。覚悟を決めるということでもある。私の経営コンサルタント稼業の師匠ともいえるA氏は、度胸がすわっている。A氏は経営コンサルティングにあたって成果があがらないとみるや、今までの経営指導料○百万円を現金で返却する。もちろんしばしば返却しているわけではない。私とA氏の25年に渡る付き合い、交流の中で1回経験したのみである。それでも「スゴイ」と感じ入った。そもそも経営者は「成果が上がらないから返却せよ」とせまっているわけでもない。にも関わらずここは捨て身しかないとみるや、ズバッと返却する。度胸がすわっているとしかいいようがない。
A氏と先述の70歳の経営者の共通項は何か。どこから迫力が生れているのか。どこから覚悟がでているのか。それは真剣勝負で生きているということである。A氏は「木刀で生きるな。真剣で生きよ」と実際に本物の刀を示して講演したことがある。生きるか死ぬかの瀬戸際である。切れば血が出てくるのが真剣勝負の世界である。経営の現実とは、正に倒産か成長かのいづれかが問われている。70歳を超えている経営者の日々についても、生死を賭けている。ここから度胸がすわり迫力がでてくる。
いるがえって私自身はどうであろうか。経営コンサルティングの現場での身の処し方はどうであるか。まだまだ至らないところだらけである。本物の真剣勝負をまだ、やり抜いていないとの実感をもつ。まだまだ「これから」、「発展途上」である。