vol.33

猛暑の8月から9月へと時は流れ、朝夕は秋の虫の鳴き声が聞こえる。日中は残暑が続く。しかし一歩一歩、秋は深まっていく。9月1日は㈱シーエムオーの創業記念日である。1988年9月1日が創業日である。前日まで会社勤めし(現「㈱日本経営」)、休む間もなく9月1日が独立した日となる。今から思えばどんなこころざ志しで9月1日に自らの事務所のいすに座ったのだろうか。不安?これからの先行きの不安はあまりなかった。とにかく一歩進んだというしかない。これからの計画は?それも漠然としていて数値目標もなく、とにかく生きていくこと、これのみであった。不安も計画もないとしたら、何があったのであろうか。それはやる気である。とにかくこれから経営コンサルタント事務所を立ち上げて生き抜いていくこと、そのためには“なんでもやるぞ”とのやる気である。確かに来る仕事は拒むことなく何でもやろうとした。独立した9月のスケジュールは空白が目立っていたが、心の中はやる気で満杯であった。9月の最初の日曜日は、ある事業協同組合の講演をした。温泉地での講演である。何をテーマに話したのか。今となっては思い出せないが、3万円の謝礼を頂いたのは、覚えている。初仕事の報酬だからである。給料はもらって当然であるが、これから給料はゼロとなると独立したからには自分で稼がないと生きていけない。震える心で謝礼を頂いたことを覚えている。

それから時は流れ、現在に至っている。初心というものがあるとしたら「やる気」である。言い換えれば前に向かって突き進む精神である。生きている限りは、現役を貫くことである。更にいえば日々の積み重ねの力を信じることである。一歩一歩でも前へ進む気迫の大切さである。“この道より我を生かす道なし”と、ひたすら一歩ずつ突き進むことである。今のところ過去を振り返り、懐かしむ場合ではない。現役バリバリだからである。しかし毎年9月1日が来ると、はじめての事務所で自らのイスに座った時の心を振り返る。“初心忘るべからず”である。