vol.29

経営コンサルタントとしての私の日々は、旅の途中である。旅とは、実際アチコチに行っているからである。札幌の街を歩いて、次の日は長崎を回るといった具合にアチコチ行っている。 風景は変化する。ふと「旅役者」なる言葉が頭に浮かぶ。「旅役者」は色々と日本全国を回ってアチコチで演技、芝居をしている。日常が「旅」である。私の日常も旅の中にある。一方、私にとって「旅」は人生のプロセスである。生きることがそのままつながっている。 仕事の中で、土地に根づくことの意味を知らされることがある。どっしりと生きている土地に根づくことである。土地には祭りがある。先祖の墓がある。そして訛り、方言がある。土地の人と触れ合って「それぞれ頑張って生きているなぁ」と実感する。ひるがって私は、18才で生まれ故郷を出ていった。広島から東京へと出発した。思えば、それから旅が続いている。かれこれ40年である。今となっては、帰るべき所は大阪である。故郷を捨てたのではない。心にある。

「汝の足元を深く掘れ、そこに泉あり」あなたの立っている、暮らしている、その足元を深く深く掘りなさい。そうすれば、きっとそこから泉が湧き出してくる、そんな意味である。旅の途中で、ふと思う感想である。ここで生きていくとしたら、自らの足元をしっかり掘っていこうということである。自分以外の外にはない。自らの中に泉があるということである。  私の深く掘るべき足元はどこにあるのだろうか。元気である限りアチコチ行く。このプロセス、すなわち旅そのものの中に私の足元がある。こうした人生、生き方もあっていいと思う。 望んでこうした人生になっているわけではない。気付いてみると、そうなってしっまったというのが実感である。見えざる手に導かれるようにして「今」がある。これからも旅の途中で出会いを深めて、泉を掘り当てたく願っているところである。