vol.27

NHKスペシャルで、ノンフィクション作家(女性)自らのガン闘病の日々を取りあげていた。10年にも及ぶガン闘病の日々である。主として肝臓ガンである。自らもノンフィクション作家としてガン患者のことを執筆して、発表している。印象に残るところは、いろいろある。くり返し、くり返しガン再発に抗する日々で「お母さん。助けて下さい。」と心から叫ぶ。神仏にすがる、ワラにもすがるというが、人間は追い詰められた時は「お母さん。助けて下さい。」と悲しそうな叫びがでてくるということだ。

医者と患者の関係についても示唆に富む。医者は医療の専門家として、最善と思われる治療方針を示す。ある医師は手術で完治するという。別の医師は放射線治療をすすめる。どちらにすべきか。決めるのは患者である。その際、決定するにあたって何が決め手となるであろうか。それは、医者への信頼である。ノンフィクション作家は素人の患者というより、プロの患者である。相談している医者は、10人以上もいる。平凡人の100倍ぐらいのガンに関する情報を持っている。決め手は信頼である。

翻って経営コンサルタントとクライアントの関係においても、しかりである。経営コンサルタントのアドバイスは如何に立派そうにみえても選択するのは、クライアントである。一時、ガンがすべて消えた際、ノンフィクション作家に対して担当の医師は、心から嬉しそうに涙を流さんばかりにする。「良かったね」。患者の想いに共感する。共感していくことで、信頼関係は育まれ強くなる。こうした臨床の実績によって、医者は自信を持ち鍛えられていく。経営コンサルタントもしかりである。