vol.23

継続は力なり

経営コンサルタントの資質の一つとして、“継続は力なり”ということがある。 全国各地を駆け巡る日々でのことである。

東北地方で75歳の現役の大工さんにお会いした。「私は60年ずっと大工をしてきましたよ」。聞けば、息子さんは四国の新居浜で大手製造メーカーに勤務(42歳)しているとのこと。孫も二人いる。年に2~3回は孫の顔を見に行くという。「息子は東大を卒業しました。親の背中を見て育つとは、よく言ったものですね」。75歳の大工さんは、酒もやらず煙草もやらず黙々と働き抜いてきた。そうした父親の背中を見て育ったことが大きい。「更に母親の子育ても大きいですね」。70歳までは、4~5人の大工のメンバーのリーダー(棟梁)を務め、今は一人大工でやっている。「今では同じ大工仲間の相場より、二分の一の値段でやっています。雪の降り積もる1月と2月は休みますが、年中一日も休まず働いていますよ」。楽しみは近くの温泉場に朝5時に起きて朝風呂に入ることだとのこと。「この年になると金に困らないこと、健康であること、この2つが一番大事ですよ」。75歳の大工さんは、2つとも備えている。その秘訣は、どこにあるのか。それは60年間、一筋の道を歩き続けてきた“継続する力”にある。良い日もあれば曇る日、雨の日、時には嵐の日もある。75歳の大工さんによると、継続する秘訣について次の様に言われる。「良いことは悪いことの始まり。悪いことは良いことの始まりですよ。とにかく一歩一歩、一日一日心がけを良くしていくことですよ」。

物流業を取り巻く経営環境は、決して明るいものではない。前門の虎、後門の狼である。前門の虎とは、運賃が思うように上がらない、後門の狼とは軽油価格を始めとするコストアップのことである。このときに当たり、一筋の道を歩き続けていくことが生き残る道である。継続するという心の姿勢がパワーを産み、強くしていく。経営コンサルタントの活動姿勢にとっても継続が大切である。